DSM-IV-TR(精神疾患の分類と診断の手引き)によるうつ病の有病率は、ある時点で過去一ヶ月以内にうつ病と診断できる状態にあった一般人口の平均的結果としては、約2.8パーセントとされています。(1.0パーセント~4.9パーセント)。
また、生涯にわたってうつ病にかかる可能性については、15パーセントとも言われています。日本の調査によっても、面接調査によると、時点有病率は2パーセント、生涯有病率は6.5パーセントといわれています。
働き盛りの年代のうつ病の発症も問題ですが、社会的に注目すべきは子どものうつ病かもしれません。児童期、つまり12歳未満のうつ病有病率は、0.5パーセント~2.5パーセント、さらに、思春期以降の12歳~17歳では、2.0パーセント~8.0パーセントといわれています。
子どもの場合、特にうつ病が軽症度の場合、いらいらしたり、少々落ち込んでいるように見えたりするだけで、うつ病の体験を言語化しないことがよくあります。実際、発達段階によっては、言語化できないこともあります。したがって、「頭が痛い」、「おなかが痛い」といった身体症状として訴えたり、不登校などの行動面での変化として現れることがよくあります。
子どもの場合、自分で症状を訴えることも困難であるだけでなく、自分で病院にかかることはさらに困難です。周囲の大人たちが子どもの行動の変化や、ちょっとした身体的な症状の訴えにもきちんと耳を傾ける姿勢が、うつ病・うつ症状を重症化させないうえで大切ではないでしょうか。
子どものうつ病治療においては、薬物療法としては少量の三環系抗うつ薬を徐々に増量して投薬していく治療法が推奨されています。
また、環境的な見直しとして、親子関係の見直し、および学校との綿密な連絡が求められます。
そのほか、子どもの場合はうつ病体験を言語化することが困難、不可能であるという特徴から、非言語的精神療法、たとえば遊戯療法や箱庭療法などを並行して行うことも効果があるといわれます。
遊戯療法とは、原則的に子どもを対象として治療法で、遊びを主なコミュニケーション手段、表現手段として行われる心理療法です。また、箱庭療法も心理療法の一種ですが、セラピストが見守るなかでクライエントが自由に部屋にあるおもちゃを規定の箱のなかに位置づけていくというものです。