うつ病あるいはうつ状態の分類としては、1:うつ状態そのものから分類する方法、2:長期経過から分類する方法があります。
1.うつ状態そのものから分類する方法には、大きくわけて(1)症状の重症度から区分する分類、と(2)うつ病の成因から分類する方法があります。
(1)症状の重症度による区分
アメリカの操作的診断基準、DSM(精神疾患の分類と診断の手引き)のⅢ維持以降(現在はIV)、米国精神医学会はうつ病分類として、
●「ある程度症状の重い大うつ病」と
●「軽いうつ状態が続く気分変調症」に、うつ病性障害を2分しています。
(2)うつ病の成因からの区分
これは古典的な分類です。
●「心理的誘因が明確でない内因性うつ病」(狭義の「うつ病」)と、
●「心理的誘因が特定できる心因性うつ病」(狭義の「適応障害」)の2分法です。
重症度という症状のみで判断するDSM(精神疾患の分類と診断の手引き)などの分類は、客観的であることから研究には適しています。
ただし、臨床現場においてはなぜうつ病になったのか、という心理的誘因の評価を欠かすことはできません。こちらのほうが治療を進めていくうえでは大切といえるかもしれません。
なぜなら、心理的誘因が特定できる場合(心因性うつ病)、環境を改善するなど、その原因を取り除けばたちまち元気になれる可能性があるからです。
(2)は古典的分類とされ、現在では(1)が主流ですが、現在の病状を改善するためには何をしたらいいのか、何をすることができるのかを明らかにし、症状を完全に撤去、あるいはそれとうまく付き合っていくようにするのが治療において大切になってくるのではないかと思います。
以上の分類方法のほかに、第3の方法として、、うつ病の長期的経過に基づく分類があります。
2.うつ病の長期経過による分類
(1)躁うつ病
(2)反復うつ病
(3)単一エピソードうつ病
(1)躁うつ病
躁うつ病というのは、うつ状態と躁状態を交互に繰り返す状態です。別名、双極性障害、または双極性感情障害と呼ばれます。双極性障害の生涯有病率は0.2パーセントから1.6パーセントとされます。うつ病自体は、6パーセントから15パーセントといわれていますから、それと比べれば低めですが、決して珍しい疾患とはいえないでしょう。
根治は困難とされ、再発を繰り返すことが多いといわれます。そのため生涯にわたって薬物投与による予防が求められることが多いのが実情です。
(2)反復うつ病
いわゆるハイで、エネルギーが高まった状態である、躁状態と、落ち込み、エネルギーが低下した状態である、うつ状態を繰り返すのがそううつ病であるのに対し、反復うつ病はうつ病を繰り返し生じる場合を言います。反復性うつ病と呼ばれます。遺伝研究からは、反復性うつ病も躁うつ病も同一の疾患であるとされます。
(3)単一エピソードうつ病
単一エピソードうつ病は、再発しないうつ病です。これは躁うつ病とは異なる疾患であると考えられています。